元高校国語教師・現Webライターの佐々木です。
錯覚資産とは、自分にとって都合のいい勘違いのことです。…と言ってしまえばそれまでなんですが、錯覚資産は、人生を左右する力を持った概念です。錯覚資産を有効活用できるかどうかで、あなたの人生の成功が決まります。
この記事では、そんな錯覚資産について徹底解説しました。
錯覚資産とは?
「錯覚資産」とは、ふろむださんが、著書『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』で提唱した、「人々が自分に対して持っている、自分に都合のいい思考の錯覚」や、それを引き起こす事実のことを指す言葉です。
ちなみに著者のふろむださんは、
- 複数の企業を創業し、うち1つは上場
- のべ数百万人に読まれたブログ『分裂勘違い君劇場』の著者
- 『面白い文章をかけるようにするクラブ』主催者
- 上述の著書『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』はAmazonランキング1位
などなど、さまざまな実績や肩書きのある方です。
…なんていうとあなたは(そんな人が提唱した概念なら、錯覚資産ってすごい概念なのかも?)と思ったのではないでしょうか? はい、それこそがまさに錯覚資産です。
「錯覚資産という概念が有用かどうか」と「錯覚資産を提唱したふろむださんに実績があるかどうか」には、因果関係はありません。にもかかわらず、「すごい人が言うなら、役に立つ概念なのかも」と錯覚してしまうわけです。俗にいう「東大教授が言ってるから正しい理論」ですね。
ちなみに僕も、この記事の冒頭に錯覚資産を仕込みました。
もしかしたらあなたは、「元高校国語教師で、今Webライターの人が書いたなら、少なくともこの記事はひどい記事ではないだろう」なんて思ったのではないでしょうか。
これもまさに錯覚資産です。元高校国語教師だからといって文章が上手いとは限りませんし、Webライターなんて肩書きは、もはや誰にだって名乗れる肩書きです(一応、僕は本当にプロのライターです。念のため)。
そして、この記事がひどい記事かどうかの判断は、記事を読み終わらないとできないはずです。
にもかかわらず、「なんだか良さそう」「なんとなく大丈夫そう」「安心できそう」と、あなたは僕にとって都合のいい勘違いをしてしまった(かもしれない)わけです。
これが錯覚資産です。錯覚資産がどのようなものか、なんとなーく理解していただけたでしょうか?
錯覚資産と実力
「自分にとって都合のいい勘違い」である錯覚資産。とはいえ、多少心理学の心得がある人にとっては、「なーんだその程度の話ねー、知ってる知ってる」となるかもしれません。ハロー効果、なんて心理効果を聞いたことはありませんか? ハロー効果も、錯覚資産を引き起こす要因のひとつです。
しかし、錯覚資産のポイントは、「人は勘違いしてしまうこと」ではなく、「人生は、実力よりも、錯覚資産で決まる」という点です。
(いやいやそんな身も蓋もない…)と思いましたか。
「実力主義」という言葉を、きっと聞いたことがありますよね。実力主義とはつまり、「実力があるものが評価される」「実力があるものが成功する」なんて概念です。努力は必ず報われる、と近いものを感じますね。
さて、この実力主義、本当でしょうか?
ふろむださんは「実力主義なんて嘘っぱち」と断じます。正しくは、「錯覚資産のある人間が評価される」「錯覚資産がある人間が成功する」です
(いやいやそんな身も蓋もない…)と、それでもやっぱり思いますよね。ここからは、なぜ錯覚資産が実力よりも大切なのか? について考えていきましょう。
なぜ錯覚資産が実力よりも大切なのか?
成果を出すために必要な要素はなんでしょうか?
「実力主義」の考えに則ると、もちろん「実力」です。つまり、以下のような関係になるわけです。
実力があるから成果が出る。
「実力」と「成果」。そこに「環境」も加えて、もう少し具体的に表しましょう。
これは、よくある実力主義のサイクルです。
実力があるから成果が出る。成果が出ると良い環境に身を置ける。良い環境に身を置けると、もっと実力を発揮しやすくなり、さらに大きな成果を手にできる。
一見、正しく思えます。しかし、本当でしょうか? あなたの周りには、
- 実力はあるのに評価されずくすぶっている
- 実力がないのにやたらもてはやされている
なんて人はいませんか? きっとたくさんいるはずです。なぜなら、上記の(実力 → 成果 → 環境 → 実力 → 成果 → 環境…)のサイクルには、決定的に足りないものがあるためです。その足りないものが、まさに「錯覚資産」です。
正しいサイクル、というか、現実はこんな流れで回っています。
ある程度の実力を発揮し、なんらかの成果を出す。その成果が、錯覚資産として評価された場合より良い環境があなたに巡ってくる。するともっと実力を発揮しやすくなる。
逆を言えば、もしもあなたが実力を発揮して成果を生み出したとしても、その成果が錯覚資産として評価されなければ、あなたに良い環境は巡って来ないのです。
ちなみにここでいう環境とは、職場・地位・立場・報酬などなどを意味します。仮に実力があったとしても、錯覚資産として評価されなければ、地位も報酬も変わらないのです。
続き – なぜ錯覚資産は実力よりも大切なのか?
とはいえ、勘のいい方というか、聡明な方なら、きっと「上図のサイクル以外でも、成果が出ることはあるよね」とお気づきだと思います。はい、おっしゃる通りです。上図のサイクル以外にも、成果が出る場合は存在します。
たとえば、「錯覚資産が大きければ、大して実力がなくてもそれなりの成果が出る」場合です。
成功者が本を書けば、そこまで面白くなくても売れますし、芸能人がYouTuberになったら、大して面白くなくてもそれなりのチャンネル登録者数は稼げます。
つまり、こんなサイクルですね。
他にも、「環境がいいから、実力がなくても成果が出やすい」場合なんかもあります。
たとえば、超有名企業に在籍しているので、大企業の看板だけでコンペで勝てたりするとか、東大出身なので合コンでモテるとか、そんなパターンです。
さて、ここまで、成果を出すための3つのサイクルを紹介しました。
重要な点は、「実力」は1つのサイクルにしか関わっていないのに対して、「錯覚資産」は3つ全てのサイクルに関わっているという点です。
つまり、錯覚資産さえあれば、なんらかの形で成果を出せます。そして成果が錯覚資産となり、さらなる成果を産みます。しかし、たとえ実力があったとしても、錯覚資産がなければ、継続的な成果や評価には繋がらないということです。
錯覚資産を利用する
人生は、実力よりも錯覚資産で決まります。ならば錯覚資産を有効利用して、人生を謳歌したいものですよね。
錯覚資産を利用するとはつまり、
- 自分の成果や実績をアピールする
- 成果が見えやすい仕事を選ぶ
- 錯覚資産になりそうな肩書きを取得しておく
ことを指します。
これは僕の主観ですが、特に、「自分の成果をアピールする」ことを、日本人は苦手としています。はしたない、とか、節操がない、とか、なんだかそんな古き良き言葉で、自分の成果をアピールする人間を忌避する風潮を感じます。
しかし、もしもあなたが成功したいなら、これまでの自分の成果をアピールする、つまり、錯覚資産を利用するべきでしょう。理由は単純。あなたの本当の実力なんて、ほとんどの人は見抜けないからです。
たとえば、この記事に読む価値があるかどうかなんて、冒頭の1文だけ読んでも判断できっこありません。けれど「元高校国語教師、現Webライターが書いたんですよー」と錯覚資産をアピールすれば、読者に「読む価値がありそうだな」と思ってもらえるわけです。
とはいえ、錯覚資産をアピールすると、
「意識高ぇwww」
「必死すぎwww」
なんて、嘲笑の的にされることもあるでしょう。
しかし、そんな声に負けちゃあならんよなと思っています。
もしもあなたが、よりよい環境を手にしたい、より実力を発揮したいと考えているなら、錯覚資産の利用はマストです。ぜひ、錯覚資産を有効利用して、良き人生を謳歌してみてください。
まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございました。冒頭でお話ししたように、この記事を書いたきっかけは、ふろむだ著『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』にあります。
この記事では紹介しきれなかった、錯覚資産を引き起こす要因(たしか10個くらい紹介されていました)や、豊富な調査データなど、人生を変えるヒントが散りばめられた本ですので、よろしければご参照ください。