みなさんこんにちは。私は、新卒で入社した会社を、ちょうど半年ほどで退職しています。現在は、都内のベンチャー企業にて、マーケティングのお仕事をしています。
辞めてしまった今思うと、半年の退職は大したことはありませんし、世の中には同じようなキャリアを歩んでいる人が割といます。しかし、半年での退職を検討していた当時は、大きな不安もありましたし、「これで転職失敗したら人生かなり厳しいかも」、と思っていました。
今回は、
- 「新卒で入社した会社を、半年で退職したいけど、どうしても不安」
- 「新卒を半年で退職した人の話を聞きたい」
- 「勇気がなくて、退職を切り出せない」
こんなニーズにお応えする記事です。みなさまのお役に立てば嬉しいです。
新卒入社した会社を、半年で退職した経緯
私は、新卒でIT系の大企業に就職しました。私がせっかく入社した大企業を、半年で退職してしまった理由は以下の2つにまとめられます。
- 大企業特有の、自分でコントロールできない要素が大きすぎた
- 自分がバリューをもっとも発揮できる領域は、ここではないと感じた
1つずつ説明してきます。
1:大企業特有の、自分でコントロールできない要素が大きすぎた
大企業には、下っ端の新卒じゃどうにもならない要素がたくさんあります。そのうちの1つが、配属先です。私は、最初の配属先がCOBOLというプログラミング言語を扱う部署でした。
かんたんに言うと、COBOLはものすごく古いプログラミング言語で、新規の開発案件はもうないだろうと言われています。扱えるプログラマーも高齢で、現場の平均年齢は50代くらいだったと思います。
私は、もともと1社に長く勤めたいタイプではなく、転職をしつつ市場価値を上げていきたいと考えています。そんな私にとって、この現場は最悪でした。滅びゆく言語をこれから学んでも、市場価値は高まらないでしょう。
「なら、最初の数年は我慢して、部署が変わるのを待てばいい」という声が聞こえてきそうですが、その配属先も運次第です。再びCOBOLのような言語を扱う部署に配属される可能性も十分あります。会社が大きくなればなるほど、自分で主体的にキャリアを築いていくことが難しくなると、大企業に入ってみて感じました。
数年間我慢したのち、「やっとこの部署から出られる」と思ったら、「また似たような部署だった」なんてことになれば、いよいよキャリアが詰みます。ならば、早くここを抜け出して、主体的にキャリアを形成しようと考えたことが、新卒半年で退職を検討したきっかけです。
2:自分がバリューをもっとも発揮できる領域は、ここではないと感じた
ITは、専門性の高い分野です。プログラミングの習得速度も、才能によって結構個人差があります。飲み込みの早い同期は、自分が数時間かかってようやく理解できる箇所を、いとも簡単に理解し、習得していきます。かんたんに言うと、新卒入社した会社で、「自分はプログラミングの才能がないな」と感じたのです。別に、その分野に才能がないことは全く問題ではありません。
問題なのは、才能がない分野で、ずるずると戦い続けることです。私は、文章を書いたり、ビジネスを構想したりすることは大好きです。何時間やっていても、苦になりませんし、人よりもできる自負があります。どうせなら、自分の才能のある分野で仕事をするほうが、自分も幸せですし、社会貢献にもなります。そのため、早いうちに業種を変えようと決意しました。
周りからは「まだ判断するのは早い」と言われていたんですが、どうしても自分の直感が「この領域のプロフェッショナルになるのは難しい」と言っていました。
新卒入社した会社を、半年で退職した流れ
新卒半年で退職したくても、「辞めます」とはとても言い出しづらいですよね。新人は、会社からの期待を背負い、各部署に配属されます。新人教育などの先行投資もたくさん受けています。私もそうだったので、言い出しづらい気持ちは痛いほどわかりますが、ここは心を鬼にして退職を切りださなければなりません。
退職を切り出す痛みは一瞬ですが、退職を決意しているのにずるずると引き伸ばせば、あなたの痛みはずっと続きます。
この章では、私が退職を切り出した体験談をご紹介します。
なお、新卒半年で退職した私の、具体的な転職活動については、以下の記事でご紹介しています。
新卒半年でもスムーズに退職するコツは、先輩を味方につけること
スムーズに退職する1番のコツは、あなたの直属の上司(課長など)と頻繁にやり取りをしている、先輩社員を味方につけることです。
新卒半年で退職を検討しているということは、あなたはまだ上司との信頼関係を築けていないはずです。課長や部長とは会話もあまりしたことがない、という人も多いはず。そんな中、突然退職を切り出すのは相当に難しいことです。
そのため、部課長よりも話しやすい、先輩にまずは相談しましょう。先輩を味方につければ、先輩から退職したい旨を頭出ししてもらえます。
先輩に退職の相談をする際に、1つ注意点があります。それは、「実は退職を考えていて、頭出ししてもらえませんか?」といきなり切りださないことです。あなたの心の中では、退職はすでに決まっていることかもしれませんが、まずは「退職しようか検討している」くらいで、先輩に相談に乗ってもらいましょう。
あなたが突然「退職しようと思っているから、上司に頭出しをしてほしい」と話しても、十中八九「もう少し頭を冷やしたほうがいい」とアドバイスされて終わるでしょう。しかし、あなたが退職を決心する1ヶ月ほど前から、先輩に退職の相談をしていたらどうでしょうか。先輩はきっと、「そこまで悩んで決めたことなら、もう仕方ないな」と思ってくれます。
先輩を事前に味方につけておけば、上司に頭出ししてもらえるので、スムーズに退職の話に移れます。
直属の上司との退職面談
直属の上司に、退職したい旨が伝われば、1度か2度退職の面談を行います。その際、もしかしたら引き止めがあるかもしれません。もし引き止められても、強い意志で「辞めます」と言いましょう。もしくは、「すでに転職先が決まっている」と言ってしまうのも手です。
なお、退職を考える前に、あなたの退職したい理由を明らかにしておきましょう。もし、残業がきつくて退職したい場合、「残業の少ない部署に異動させるから、残ってくれ」と条件を提示される可能性があります。
もしそれであなたの課題が解消されるなら、そのまま会社に残ってもいいかもしれません。しかし、覚えておいていただきたいのは、「退職を1度検討した」ということは、その会社にいる限り、付いて回るということです。
もし、あなたとAさん、能力が同じくらいだったとして、「どちらを昇進させるか」となったときは、ほぼ間違いなく「過去に退職を検討したか」も見られると思った方がよいでしょう。退職を検討するということは、会社によっては、「この従業員は会社への忠誠心がない」と判断される材料になります。
部長との面談
直属の上司との面談が終わった後は、部長との面談が待っています。部長まで話を通してしまえば、退職までもう少しです。部長は、人材を異動させる権限を持っていることもあります。そのため、あなたに「他の部署に移動させてやれるぞ。」と話を持ちかけてくるかもしれません。
私は実際、部長に「希望の部署に異動させてやるぞ」と言われました。ただ、そのときにはすでに内定を持っていましたし、部署を変えても、社風までは変わりません。そのため、「いえ。申し訳ありませんが、辞めさせていただきます」ときっぱりと断りました。
部長との面談が終わると、大きい会社の場合は本部長面談などがあるかもしれません。面談を何度もたらい回しにされ、なかなか退職できないケースもあるようです。私の場合は、部長が本部長にも話を通してくれたので、部長面談が最後でした。
そもそも、会社は従業員を無理やり引き止めることはできません。私たちは、等しく職業選択の自由を持っていることを覚えておきましょう。
退職が受理され、引き継ぎや挨拶回り
退職が受理されたら、引き継ぎ業務をしたり、先輩上司に挨拶をしたりして回ります。新卒半年で退職する場合、ほとんど引き継ぎ事項はないはずです。そのため、退職までの間手持ち無沙汰になり、つらい思いをするかもしれません。
もしかしたら、本当に辛いのはこの「退職が受理されてから、最終出社日」までの期間かもしれません。会社は採用コストをかけて自分を採用し、先輩上司は仕事を教えてくれたのに、自分はバリューを出す前にやめてしまう。そんな罪悪感で、会社に居づらくなってしまいます。
私の場合は、誰にも何も言われませんでしたが、やはり気まずい空気は感じていました。ただ、ここを超えてば晴れて退職です。最後の辛抱だと思って耐えましょう。
新卒半年で退職に踏み切るべき人
この章では、入社半年で退職に踏み切るべき人は、どのような人かご紹介します。
セクハラやパワハラ、長時間労働などで精神的に参っている人
セクハラやパワハラ、違法な長時間労働で苦しんでいる人は、新卒入社して半年しか経過していなくても、退職すべきだと思います。最悪、うつ病などの精神病に発展し、転職することも難しくなるかもしれません。
退職を検討するなら、なるべく早いほうがよいでしょう。ただし、あなたが大企業に勤めているなら、1度社内の通報制度を使って、然るべき部署に助けを求めたほうがよいと思います。セクハラやパワハラ、違法な長時間労働であれば、あなたに非はありません。
職種を変えたい人
私のように、職種を変えたい人は、早めに退職を検討したほうがよいでしょう。なぜなら、職種を変えると、1から業務知識を学び直すことになるからです。
営業経験が3年あっても、プログラマーとして転職するのは難しいですよね。現在やっている業務内容が、退職した後の仕事でアドバンテージにならないのであれば、退職は早ければ早いほどよいでしょう。
なお、基本的に転職する際は「職種」と「業界」の両方をずらさないようにしましょう。職種と業界の両方をずらしてしまうと、あなたのコアバリューがなくなってしまいます。せっかく積み上げた業務知識や業界知識が、転職先では役に立たなくなってしまいますので、ずらすなら職種か業界のどちらか一方にしましょう。
自分の選択を正解にし、市場で生き抜く覚悟がある人
「なんだよ、精神論かよ」と思われるかもしれませんが、これが一番大事なことかもしれません。人生は選択の連続です。転職するもしないも、あなたの決断次第です。本来、あなたの人生は自由です。明日には退職を切り出すこともできるし、定年まで今の会社に居続けることもできます。
ただ、気をつけていないと、人間は惰性で生きてしまうものです。行動を起こすには、相応の覚悟が必要です。自分の人生に責任を持ち、退職したのち何があっても、「自分が選んだ道を正解にするんだ」という強い覚悟を持っている人は、新卒半年で退職してもうまくいくと思います。
また、新卒半年で退職するということは、普通のレールから外れるということです。それは、生半可な道ではありません。実力勝負です。だから、新卒半年で退職したいあなたには、ぜひ「市場でサバイバルする覚悟」を持って欲しいなと思います。
新卒半年の転職活動で役に立った参考書
この章では、私が新卒半年で転職活動をする際に、役立った参考書をご紹介します。
転職の思考法
北野さんの「転職の思考法」は、本当に役に立った1冊です。この1冊がなければ、新卒半年での退職に成功していなかったかもしれません。
転職して市場で生き抜くためのノウハウや、キャリア戦略の描き方が詳細に載っています。今はまだ転職する予定がない人にも、ぜひ手に取ってほしい1冊です。
転職と副業のかけ算
これは、副業サラリーマンのmotoさんという方が書いた書籍です。motoさんは、新卒入社してから、30歳になるまでに、5社の転職をしている、いわゆるジョブホッパーです。この本は、転職した後に手に取った1冊なのですが、自分の判断に自信をくれました。転職と副業のかけ算は、新卒半年で退職を考えているあなたのキャリアの参考になるはずです。
新卒半年で退職した私が、実際に使ってよかった転職サイト
この章では、私が転職する際、実際に使っていた転職サイトについてご紹介します。
doda
dodaは、求人数が非常に多いことが特徴です。私が新卒半年で退職を検討する際は、実際にdodaの転職エージェントと面談をしました。雰囲気は柔らかく、新卒半年の転職でも快く求人を紹介していただきました。
ただ、やはりdodaの求人を持ってしても、新卒半年の退職で紹介できる転職先は限られます。私が面談を受けた印象と、私の友人が面談を受けていた話を聞くと、コンサルティング業界を紹介されるケースが多いようです。
コンサルティング業界といっても、デロイトやアクセンチュア、PwCといった第二新卒の採用が活発な総合系コンサルティングファームです。この辺りの会社を狙っていきたいのなら、相談してみるのもよいかもしれません。
また、求人数そのものが他の転職サービスにくらべ、かなり多いため、一度登録しておくことをお勧めします。
ムービン
ムービンは、コンサルティング業界の転職に特化した転職サイトです。私は、転職の一候補としてコンサルティング業界を考えていたので、利用していました。
コンサルティング業界は、第二新卒の転職にかなり寛容な業界です。人材の流動性が高いため、第二新卒でもたくさんの人を採用します。第二新卒の転職を考えているのなら、穴場な業界です。
ムービンは、当時新卒半年で退職を検討していた私にも、求人を紹介してくれました。実際、そのうちの1つの会社の面談にも行ったことがあります。新卒半年での転職は、転職エージェントから相手にされないこともあるのですが、ムービンはとても真摯に対応してくれました。
転職先の候補として、コンサルティング業界を考えているのなら、一度使ってみることをお勧めします。
wantedly
wantedlyは、ボタン1つで気軽に会社にお邪魔できる転職アプリです。wantedlyは、ベンチャーやスタートアップの求人が多いことが特徴です。
正直なところ、新卒半年の転職で、大手企業に転職することはほぼ不可能です。なぜなら、大手企業は新卒採用で十分に人が採れるからです。新卒半年で退職した、第二新卒という微妙な存在を採用しなくても、大企業は新卒を採用すれば解決します。
しかし、ベンチャー企業はそうはいきません。ベンチャー企業には、きめ細かい新人研修を実施する余裕がないため、新人研修をきちんと受けている第二新卒は結構貴重な存在なのです。
そのため、個人的には新卒半年で転職したい人は、ベンチャー企業に転職することをお勧めします。wantedlyは、利用している人の年齢層も若いですし、求人がベンチャーに特化しているので、転職先を探しやすいはずです。